政府は2014年度以降、地方創生に注力してきた。「自治体消滅論」で危機感は高まり、人口ビジョンと総合戦略を作り、15年度にはこれに倣って全自治体が地方版の人口ビジョンと総合戦略を策定した。
しかし残念ながら、地方創生が成果を上げているとはいえない。是正するはずだった東京への一極集中、地方からの人口流出は続き、地域経済は相変わらず疲弊している。地域を活性化することはそもそも極めて難しいが、政府の戦略の基本方向にも問題があったように思われる。ここでいま一度、基本方向を見直してみてはどうか。
第1に、現行の地方創生は基本的には政府・地方公共団体による計画主導型である。しかも、政府がまず総合戦略を示したため、各地方公共団体の総合戦略は、国と似たり寄ったりの金太郎あめになってしまった。国が戦略で示した「地方に仕事をつくる」「新しい人の流れをつくる」「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」といった戦略の柱が多くの地域でそのまま登場しているのだ。
活性化に成功した近年の例を見ると、意外な所に外国人観光客が集まってきたり、ITを活用してリゾート地にリモートオフィスが集まったりといった地域がある。これからの地方創生は、現地の公共団体が計画的に進めるというより、外部からの評価に基づいて自然発生的な流れを生かしていくべきではないか。
第2に、現行の地方創生は少子化対策と密接に関係している。各地域の人口ビジョンを実行していけば、全国の人口減少にも歯止めがかかるはずだという発想である。しかし、各地方公共団体が策定した人口ビジョンは、「30年ごろに出生率1.8、40年ごろには2.07、地方からの人口流出はゼロに」という国の人口ビジョンの想定をほぼ踏襲している。
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