失業率は約50年ぶりの低水準にあるとはいえ、米国は無視できない雇用問題を抱えている。将来の経済成長を左右する労働参加率が低下し続けているのだ。
25〜54歳のいわゆる働き盛りの男性の労働参加率は1960年代後半には97%に達したが、2018年には89%まで下がっている。女性でも同年齢層の労働参加率は97年に77%で天井を打ち、18年に75%となった。
こうしたトレンドはほかの先進国とは異なる。例えば、カナダと英国では、女性の労働参加率は米国とは反対に90年代以降も少しずつ上昇を続けている。
米国でも学歴や地域などによって差がある。中でも問題を難しくしているのが、地方と都市の格差だ。大企業を抱える都市部は失業率が低く、若い世代の人口流入が続き、働く人々の学歴も高い傾向にある。地方では対照的に高齢化が進み、半数以上の郡が人口減に陥っている。
全米の労働者人口における高卒以下の割合は63〜17年に75%から33%へ低下したが、大卒の割合ではむしろ地方と都市の格差が拡大している。高卒の失業率は大卒の2倍近く。低学歴だと労働参加率や収入も低くなる。
リッチモンド地区連邦準備銀行の試算によれば、女性や非大卒者、地方の労働参加率を引き上げれば、新たに1800万人を超す労働力を生み出せるという。例えば、有給の育児休暇などによって女性のフルタイム就業を後押ししているカナダ並みに女性の労働参加率が高まれば、新たに520万人の労働力が生まれる見込みだ。また、学歴による労働参加率の格差が埋まれば、米国の労働力はさらに1000万人拡大する。
米国の人手不足問題
ただ、2025年までには全雇用の3分の2が高校を超える高等教育を必要とする仕事になるとみられる。ジョージタウン大学の教育・労働力センターによると、熟練を要する仕事で米国は早くも来年には500万人の人手不足に陥るという。トランプ大統領は認めたくないかもしれないが、米国には今よりもっと多くの移民が必要になるということだ。
この記事は有料会員限定です
残り 618文字
