第4の通信キャリアとして楽天は今年10月から自前の通信を使った携帯通信事業を始める。切り札に位置づけるのが、最新技術を使うネットワークの完全仮想化だ。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのキャリア3社は、データセンターや基地局のネットワークを、通信機器メーカーから調達する専用ハードで制御している。ただこれは特注品になるため、コストがかさむ要因になっている。一方で楽天の完全仮想化は、通信ネットワークを制御する機能は独自開発したソフトウェアが担う。ソフトウェアの入れ物となるハードは汎用サーバーで賄うため、コストが安くなる。
キャリア3社の設備投資額は通常1年間で4000億〜6000億円だが、楽天は2025年までの6年間で6000億円以下に抑える方針。4Gの基地局数はキャリア3社が各11万〜20万なのに対し、楽天が25年度時点で計画するのは2万5000弱と規模の差が大きいとはいえ、楽天の投資額は圧倒的に少ない。
既存キャリアでも国内ではドコモなどが一部の仮想化を行っているが、基地局も含めてネットワークすべてを仮想化するのは、楽天が世界初だ。三木谷浩史会長兼社長は、「6000億円でもお釣りがくるくらいだ」と豪語する。
5G時代でも、楽天は完全仮想化が武器になるとみている。キャリア3社は4Gから5Gへ移行するに当たり、新たに5G専用のハードを調達する必要がある一方、楽天の場合はソフトウェアをアップデートするだけで大方済む。
20年に予定する5G導入時に、すぐにフルスペックでのサービスを提供できることから、「他社よりもサービス展開のスピードも上げられる」と、三木谷氏は自信を示す。
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