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無償化にたかる経営者、改善進まぬ保育園の裏側 認可外保育園にまつわる「保育利権」

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数年前に閉鎖された認可外保育園が、4月から再開されたのを見て驚いた。都心にある同保育園は、経営難から突然の閉鎖を利用者に告げた。行き場を失った利用者は被害者の会を作って運動したが、結局泣き寝入りだった。

その保育園を運営する経営者は、テレビ番組で経営を語っていたが、実際はほとんど現場に出ていなかった。都心の保育園を閉鎖した後、他区で補助金が出ることを当てにして、別の保育園を始めたと聞いていた。その経営者が元の都心で保育園のビルを建て替え、再開した。これは、10月からの幼児教育・保育無償化に伴うサポートを受けて再び税金にたかろうとしているのだと直感した。

保育利権のことをご存じか。待機児童が数万人もいるのならば、企業が保育園を多数開設すればよい。幼稚園が保育園の機能を拡充してもよい。こうした普通のアイデアが成り立たないのは、そこに利権があるからだ。一部の地方議員は、そうした認可を容易に与えない。既存の認可保育園は、新規参入者を嫌い、地方議員に利益を守ってもらっている。

認可外保育園は自由な料金設定ができるが、利用者はその料金の高さを嫌がって、認可保育園を希望する。自治体は、割高になる料金部分をサポートする補助金を出すなどの対応をしている。認可外はもともと補助金ビジネスに近いのだ。そして、そこには利権が発生している。認可外保育園の関係者もまた、補助金を手配してくれる議員の支持者なのだ。

繰り返される悪質経営

認可外保育園は保育の質が低いという批判も少なくない。利用者が集まりにくく、経営は厳しい。人手不足の中で十分な人員を確保できないから質も下がってしまう。そうした質の低下に利用者が腹を立てても、相当な刑事事件にならないとニュースにならず、ほとんどの場合どうすることもできない。

経営者がトラブルを起こしたとき、保育政策で有名な地元議員のところに利用者が陳情に行ったが、逆にクレームがそこで止まってしまったという。なぜならば、その議員と経営者は、長年なれ合いの関係にあり、日頃から地域内の保育拡充で協力している間柄だったからだ。保育の問題はなかなか行政の改善へと結び付かない。

親の事情もある。保育園の運営に腹を立てても、2〜3年すると子どもが育って、問題意識が薄らぐ。先の都心の認可外保育園にしても、経営者がいいかげんな運営を再開していようが、被害者たちはもう当事者ではないから、体を張ってまでずさんな経営に口出しをしない。数年が経つと、保育で一儲けをしたいと考える経営者が再び動き出すのを、誰も制止できないわけである。

(無学無名)

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