北朝鮮は中国との貿易赤字にいったいどう資金繰りをつけているのだろうか。これは非核化交渉の行方にも関わる重大問題だ。はたして北朝鮮は国際制裁によって悲鳴を上げているのか。それとも、中国の支援などによって制裁の痛みをそれなりにやり過ごす方策を見つけたのか。
現在、中国は国際制裁にしぶしぶながらも応じている。その結果、中朝の貿易額は統計上、目に見えて落ち込んだ。2016年に制裁が強化されて以降、北朝鮮の貿易赤字は激しく拡大している。
北朝鮮の貿易の90~95%は中国相手だ。ということは、北朝鮮はどこか別の国との貿易で黒字を出し、それによって対中赤字を埋め合わせることが事実上できない。つまり、何かほかの手段で資金繰りをつけていることになる。
途上国で貿易収支(ひいては経常収支)がこれほどまでに悪化すれば、経済は危機的状況に陥るのが普通だ。実際、米国の圧力路線によって北朝鮮経済は虫の息、とみる向きは多い。ところが、闇市場における実勢為替レートやコメ相場など北朝鮮経済の困窮度合いを示す指標は、今も安定が保たれている。どういうことなのか。
まず考えられるのは、貿易統計が粉飾されている可能性だ。国際制裁を順守しているよう装うため、中国が北朝鮮向け輸出を過少申告しているケースだ。この場合、北朝鮮の実際の貿易赤字は見かけより大きく、北朝鮮に対する中国の支援規模もこれまでの想定を上回る可能性が出てくる。
また、北朝鮮が制裁破りを続けているのも明白だ。北朝鮮は兵器密輸で培ったテクニックを応用し、通常商品の密輸手口も高度に洗練させてきている。ただ、北朝鮮の貿易赤字は18年で約15億ドル(約1670億円)で、この穴を密輸だけで埋めるのは無理がある。ほかには、北朝鮮が有事に備えて石油や食糧などを備蓄していた可能性も考えられる。
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