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『政治に口出しする女はお嫌いですか? スタール夫人の言論 vs.ナポレオンの独裁』 独裁者が恐れた「女の武器」とは?

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政治に口出しする女はお嫌いですか?  スタール夫人の言論vs.ナポレオンの独裁(工藤 庸子  著/勁草書房/2400円+税/216ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

【著者プロフィル】くどう・ようこ/フランス文学者。東京大学名誉教授。『恋愛小説のレトリック──『ボヴァリー夫人』を読む』『ヨーロッパ文明批判序説──植民地・共和国・オリエンタリズム』『評伝 スタール夫人と近代ヨーロッパ』など著書多数。

性差別や憲法改正などについて積極的に発言している女性の議員や弁護士に対して、注文した覚えのない代引き商品が送りつけられるという嫌がらせが相次いでいる。

彼女たちは記者会見を開き、「女性の声を封じようという意図を感じる。嫌がらせには屈しない」と声を上げた。

こうしたことをする卑劣な人物は、どうやら政治に口を出す女性が嫌いらしい。残念ながら似たような考えの者が少なくないことは、酒場で聞こえてくる男たちの会話に耳を傾けているだけでわかる。

だが、ミソジニー(女性嫌悪)は、ある時から男社会に広まった価値観に過ぎない。

本書で紹介されているのは、18世紀後半から19世紀前半にかけての、フランス革命を挟んだ時代である。主人公はジェルメーヌ・ネッケル。後に結婚し「スタール夫人」と呼ばれたこの女性は、天下国家を論じ、独裁者ナポレオンをも脅かすほどの人物だった。

スタール夫人は「サロン」の存在を抜きにしては語れない。この時代、サロニエール(女主人)が自邸にさまざまな人を招いて歓待するサロンが活況を呈していた。もてなしのセンスがある主宰者のサロンは自然と評判を呼び、スタール夫人はその筆頭だった。

サロンは「自由の活力」と「貴族のエレガンス」が渾然一体となった空間である。サロニエールは、公的な事柄をめぐって刺々(とげとげ)しいやり取りになりがちな論争を和らげ、議論をより建設的な方向へと導く会話の術(すべ)を心得ていた。

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