有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #地方反撃

民間主導で箱モノ建設 岩手県紫波町の独自戦略 「稼ぐ地方」に変える処方箋2/補助金に頼らない独自政策を実行せよ②

3分で読める 有料会員限定
バレーボール専用体育館。規模は小さくても競合がいない市場を狙った

人口約3万人の田舎町で補助金に頼らない街づくりに挑み、今や年間およそ100万人が訪れる場所を作り上げた。それが岩手県紫波(しわ)町の公民連携事業「オガールプロジェクト」だ。オガールは、成長を意味する方言「おがる」とフランス語で駅を意味する「Gare(ガール)」を組み合わせた造語だ。

JR盛岡駅から電車で約20分。紫波中央駅前にある10.7ヘクタールの町有地に、図書館や産直販売所、飲食店、診療所などが入る官民複合施設「オガールプラザ」や、日本初のバレーボール専用体育館、宿泊施設などを備える「オガールベース」、町役場などが立ち並ぶ。2011年から順次、完成した。一見すると箱モノ行政の典型に映るが、ほかと何が違うのか。

プロジェクトの特徴の1つは、商業を起点とした街づくりをしなかったことにある。商業施設では、一時的ににぎわっても客はやがて盛岡市に流れるだろう。

そこで時代が移り変わっても人が集まる施設として、図書館と町役場を中核に据えた。人が集まれば、飲食業などがおのずと出店し、街の価値が高まるという考えだ。

図書館は一般的な公営図書館と異なる。館内には静かなBGMが流れ、飲み物を持ち込めるゾーンがある。また「ビジネス支援」をコンセプトに掲げ、町の基幹産業である農業の雑誌や単行本を充実させたほか、農業専門データベースもある。入館者数は年間約20万人に上る。

もう1つの特徴は、採算重視を徹底していることだ。着工前にテナントを固め、その賃料から逆算して建設費をはじき出した。オガールの各施設は木造建築だが、それは林業が盛んな岩手県の木材を活用する意図よりも、減価償却期間が短く投資効果が高いからという事情が大きい。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数