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自然災害が教える「コミュニティー」の大切さ 結束が強い地域では復興が迅速に進む傾向も

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  • 庄司 匡宏 東京大学社会科学研究所准教授

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京都・清水寺が発表した2018年の世相を表す漢字は、「災」だった。昨年は自然災害が多発し、西日本を襲った集中豪雨などで多くの被災者が生まれた。被災者の生活再建をいち早く実現するうえでの優先課題は、仮設住宅の迅速な建設および入居である。しかし、行政が注意すべき点はそれだけではない。被災地域の「コミュニティーを崩壊させないための努力」も必要だ。

これまでの研究によると、コミュニティーの結束が強い地域では復興も迅速に進む傾向がある。これに対し、被災地におけるコミュニティー崩壊は被災者の社会的孤立を引き起こし、精神的ストレスや抑うつを悪化させる要因となる。さらに、こうした症状は被災者のアルコール依存や自殺願望の悪化にもつながることが示されている。

だがこれまではむしろ、コミュニティー崩壊をさせない努力よりも、加速させる政策が実施されることが少なくなかった。例えば仮設住宅の入居者を抽選で決定するという制度だ。この問題点は、4府県で25万棟を超える住宅が被害を受けた阪神・淡路大震災の際に頻繁に指摘された。

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