人類の遠い祖先が、アフリカ中南部の森林地帯で発生した(人類発生一源説)として、それがいつ頃のことかについては諸説がある。ある者は「100万年以上前」と言い、ある者は「10万年ほど前」と言う。この一事でさえ、10倍もの差があるのだ。
実は、この点に関して、20世紀に日本の考古学界を騒がす事態があった。
日本列島の東北部で考古学的遺跡が次々と発掘され、数万年以上も前の太古の石器が続々と発掘され出したのだ。
その中には、太古の人々が生活していた痕跡を示す生活遺跡や、2カ所から出た石器がぴったりと接合する接合石器も入っていた。これが事実なら、何十万年も前から日本列島には石器を持ち歩くほど文明化した人類の祖先がいたことになり、世界の人類史をも大きく書き換えることになるのである。
ところが、この考古学上の「大発見」が、東北地方の電機メーカー従業員である在野の研究者による捏造であることが、毎日新聞のスクープによって判明した。この人物は発掘地点で必ず大発見をし、「神の手」といわれるのに悦(よろこ)びを感じ、事前に古い石器を太古の地層に埋め込んでいたのだ。
このことから、この人物の関係した発掘調査は全否定され、「日本列島に数万年以上前に人類の祖先はいたのか」という古い論争が再燃することになった。
画期的だった2足歩行
そんな日本での考古学界の騒ぎをよそに、世界の考古学界では、「人類の誕生は10万年前から100万年前までの間」というのが通説になっているらしい。この時期の特定よりも、「何をもって人類と見なすか」のほうが興味のある問題らしい。
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