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ライフ #堺屋太一の人類発明史

人類の証しは発明・発見だ 連載開始のことば

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筆者の堺屋氏は2月8日 午後8時19分、多臓器不全のため東京都内の病院で死去しました。享年83。本連載「堺屋太一の人類発明史」は50回の全体構想を練った上でスタートをしたものですが、未完で終わりました。堺屋氏が最後に手がけた壮大なスケールの本連載を幅広い皆さまに読んでいただけるよう、無料開放させていただきます。謹んで堺屋氏のご冥福をお祈りします。(編集部)

 

人類の歴史はわずかに数万年、35億年にも及ぶ地球の生命の歴史に比べれば「ごく最近生まれた生物」である。

それがたちまちにして地球上にはびこり、80億人近くまで数を増やし、地球上の各所を改造し、自らに都合のよいように作り変えている。

人類なる生物がそれほどまでに成功したのは、数万年間の技術的社会的言語的な進歩・改善があったからだ。それをこの連載では「いくつかの時代」に分け、各時代の「重大な発見・発明」を並べてみたい。

近現代には、少数の天才や研究組織によって発見・発明された技術や制度も多いが、太古においては大勢の人々が少しずつ進歩させ、長い間に広く普及したものが多い。また、「一つのことが起こったから次のことが生じた」と推定される連関性のある事柄も多い。

そんなことに注意しながら、「サル」を「文明人」にした発見・発明を選んでみた。

もちろん「人類数万年の歴史」を正確に把握することは極めて困難である。そのためには地球気象の変動や大陸移動の知識、生物学の膨大な研究が必要だろう。多くの分野の世界の碩学を集めたとしても、議論が尽きることはあるまい。

ならばいっそのこと、私(堺屋太一)の独断と偏見により重要な発明・発見を選び、世の識者の議論の土台を提供すべきだと思う。つまり、これから始まる連載は世の議論を喚起するための合図にすぎない。誤った推論から正しい結論が生まれた例は世に多いが、議論を始めないことから有益な結論が生じることはないからである。

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