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ブラックスワンを抑え込む政策 2019年、「想定外の事象」は起こりうるのか

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  • 中空 麻奈 かんぽ生命保険 エグゼクティブ・フェロー

誰もがそんなことは起こりえないと思っている事象を表す言葉に「ブラックスワン」がある。2019年にブラックスワンは登場するのか。例を挙げてみる。

1羽目のブラックスワン。米中間の通商協議が決裂し、中国から米国への輸入品全体に関税がかかり、米中両国の景気にさらなる下押し圧力が加わる。これがアジア、中南米により深刻な影響をもたらし、新興国リスクが顕在化する。半導体関連製品に関税がかかるため、株式市場の好調を支えてきたIT関連企業の株価が総崩れ、株価指数も大きく低下する。

2羽目のブラックスワン。英国のEU(欧州連合)離脱交渉が時間切れとなり、「合意なき離脱」に陥る。労働者の大規模なデモ活動である「黄色いベスト運動」の過熱により、仏マクロン政権が退陣に追い込まれる。レームダック化する独メルケル政権の後の体制が定まらないまま、5月の欧州議会選挙に突入、ポピュリズムの空気が蔓延して定着。イタリアの財政問題も含め、欧州の混乱がリスクオフに拍車をかける。

ブラックスワンが姿を現せば、株式市場やレバレッジドローン(低格付け企業向けで利回りの高い融資)市場などでリスクを取りすぎているシャドーバンク(金融当局の監督対象外のファンドなど)で大きな損失が出て資産凍結が相次ぎ、さまざまな金融市場にリスクが伝播する可能性は大きい。

FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)はすでに資産購入プログラムを終了し、FRBはバランスシートの削減を始めている。これは流動性の減少を意味し、銀行の貸し出しを厳格化させる。絞り込みから、信用リスクの高い企業に資金繰り難が生じる可能性は大きい。米中貿易戦争がすでに経済を悪化させる兆候を示しているだけでも、信用リスクは悪化の方向にある。

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