日本の高度成長の要因を描いた『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で有名なエズラ・F・ヴォーゲル・米ハーバード大学名誉教授。日本では知日派との印象が強いが、鄧小平に関する著作があるなど中国語を駆使する“知中派”でもある。中国と日本の展望を同氏に聞いた。
──今の中国をどのように見ていますか?
今の中国は第2次世界大戦前の日本に非常によく似ている。当時の日本は経済が成長し、軍隊が強くなった。日清、日露という国の命運を決める戦争にも勝った。その結果、国民に自信が生まれて愛国心が強くなり、国の指導者はそのような国民感情を抑えられなくなった。過信が第2次大戦の悲劇につながった。このような歴史の教訓を中国人も学んでほしい。
現在の中国も経済成長が続き、人民解放軍を増強し、愛国主義が強い。「われわれの実力をもってすれば、いろいろなことができるのではないか」という自負を持ち始めている。戦前の日本と同じような道を歩んでいるといえるだろう。
世界を見渡しても、中国が自信を持つ理由がある。米トランプ政権の誕生、英国のEU(欧州連合)離脱など、世界を代表する国々が混乱に陥っている。そのような国々と比べて「われわれの制度は悪くない」と、政府の指導者たちが考えているのだろう。
──米国から見て、中国と日本はどう映りますか?
米国は中国を脅威に感じている。
第2次大戦以降、米国は経済、軍事力、技術力といった点で世界トップに位置していた。だが、中国によってその地位が崩れ始めており、両国の対立が深まっている。
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