中国が推進する「一帯一路」。だがマレーシアなど東南アジア諸国が関連プロジェクトを取り消している。
──92歳で政治の表舞台に復帰したマレーシアのマハティール首相が、インフラなど中国関連のプロジェクトの中止を発表しています。
これは、中国と距離を置こうとしているわけではない。新政権は1970年代初期以降の「非同盟・中立」を堅持している。冷戦期、マレーシアは東西両陣営と良好な関係を築く外交方針を打ち立てた。米中対峙の時代でも不変だ。
──マハティール首相は同国の「東海岸鉄道」(ECRL)計画など、中国主導の計画の中止も発表しました。
それでも中国とのプロジェクトは十数件が計画・進行中だ。中止されたのは、高額な建設費や実施遅滞、マネーロンダリング疑惑などナジブ前政権による不正が疑われているものばかりだ。
──反中国という姿勢からの中止ではないということですか。
新政権は「反」中国ではない。これは、国内政治の文脈から理解するのが妥当だ。ナジブ前首相は在任中に、政府系ファンド「1MDB」の資金を不正流用し、45億ドル(約4900億円)の資金横領を疑われ7月に逮捕された。マハティール首相としては、不正追及は選挙公約だ。中止された計画は、国内事情として中国側に中止を説明しやすいものでもある。また、前政権から引き継いだGDPの約8割に相当する政府債務をどう返済するかという課題もある。
──「ルックイースト」政策など、マハティール首相は親日的だとの見方が根強い政治家です。
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