安倍晋三内閣が不思議なことをしてみせた。来年10月に消費税を10%に上げることは、すでに法律で決まっている。ところが10月15日に臨時閣議を開き、あらためて増税を決定したのだ。わざわざ嫌われることをする理由がわからない。
安倍首相は消費税10%に関し、「あらゆる施策を総動員し、全力で対応する」と大見得を切った。キャッシュレス決済にポイントを還元する、とも言った。しかるに増税対策は10月5日の経済財政諮問会議でも検討されている。どうやら、次回増税から導入される「軽減税率」の準備が遅れていることに不安があるらしい。そこで政府が率先して、「1年後には必ずやりますからね!」と派手に注意を喚起したという次第である。
「必ず上げますよ」と宣言する一方で、「リーマンショック級のことがないかぎり」(菅義偉官房長官)と最終判断は留保している。これでは民間部門としては、「二度あることは三度ある」ことを期待したくなる。2014年と16年に二度も増税を延期したのは、ほかならぬ安倍首相なのだから。
日本商工会議所が今年6月から8月に行った聞き取り調査によれば、軽減税率の準備をしていない中小企業は81.2%に上る。商店にとって、レジを買い替えるのは重い負担となる。細部の詰めが残っている事項もある。どうせだったらこのまま何事もなくやり過ごしたい、という気持ちはよく理解できる。
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