ワシントンで今いちばんホットな話題は11月6日に迫った中間選挙の行方である。発足から21カ月が過ぎたトランプ政権の信任投票と、2020年の大統領再選に向けての試金石の意味合いもあり、今回の選挙はかつてない盛り上がりを見せている。
選挙の結果次第では大統領府と議会上下両院を牛耳る共和党の一党独占体制に亀裂が入り、20年に向けて今後2年間の政権運営が変わる可能性がある。本稿では中間選挙をめぐる米国政治の最新事情と、それが市場に与える影響について考えてみたい。
通常、米国の中間選挙の投票率は3〜4割程度と低く、5〜6割の有権者が投票する大統領選挙と違って、あまり注目を浴びない地味な存在である。しかし今年は、打倒トランプに燃える民主党も、それを迎え撃つ、今や「トランプ党」と化した共和党も、気合いの入り方が違うようだ。
その一因が最高裁判所判事の指名承認におけるドタバタ劇である。最高裁判事は9名で構成されるが、今般引退を表明したアンソニー・ケネディ判事の後任を選ぶ過程で、その騒動は起きた。大統領が指名したブレット・カバノー判事が、高校時代にパーティで酩酊(めいてい)して女子学生を襲ったというのだ。前代未聞の、議会公聴会での被害女性による涙の証言が行われた。しかし、半ば強引に共和党が採決に持ち込み、議会の内外で怒号が響く中、10月6日に50対48の僅差で承認された。
この騒動が残した傷跡は深い。共和党が疑惑の追及もそこそこに採決を強行したことで、女性の怒りに火をつけてしまった。今、米国ではミーツー(#MeToo)運動が盛り上がっており、今回の騒動でトランプ政権と共和党に女性の人権を軽視するイメージが刷り込まれてしまった。これが中間選挙での有権者の投票行動にどう影響するかについて、ワシントンの専門家の間でも議論が白熱する。
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