有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #少数異見

過剰なる災害報道 もはや有害無益

3分で読める 有料会員限定

この夏、テレビでは毎日のように日本全国の災害を見せられた。特にNHKは「災害チャンネル」のようだった時期もある。西日本の豪雨、異例のコースを通る台風、猛暑と次々に災害に見舞われたので仕方ないとも思える。

それでも過剰な報道はよくないと思うのは、それが続くと逆に視聴者が見なくなり、注意喚起が意味を成さなくなるためだ。報道機関が注意喚起を行うのはわかるが、「災害が起きているのにドラマを放送するのは不謹慎だ」などという批判を恐れて、アリバイづくりのためにこれでもかと災害を中継する姿勢には違和感を覚える。

なぜ過剰に走るかを考えると、10人のうち一人でも災害を伝える責任を唱えたとき、残り9人は伝える必要がないとは公式の場で言えなくなるからだろう。テレビ局はアリバイづくりをしたくて行っているのではなく、反論できない空気に弱くなっているのだと思う。

テレビ局だけではない。私たちも近頃、過剰な正論を振り回す人々に反論しなくなってはいまいか。身近な例は過剰なコンプライアンスである。正論を情緒的に叫ぶやからに、皆が無関心を装うのはよくない。本当は節度を持とうと公衆の面前で言い返す「大人の対応」がもっとあってよい。大人が沈黙しているから、変な空気に支配されるのだ。

質の劣化も問題

災害の過剰報道については、さらに考えてほしい問題がある。テレビは災害について伝えるべきことを正しく伝えているのかという点だ。豪雨の後、危険だった地域の友人に電話してみた。「あと1日大雨が長引くと水没していた」と言っていた。その人は自宅が危険地域にあると知って驚いていた。別の地域の友人は、堤防の決壊を恐れ、1階の家具をすべて2階に上げて、夜は寝られなかったという。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数