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習氏に渦巻く不満と怒り 覇権国どころか砂上の楼閣

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中国の習近平国家主席が任期制限を撤廃し、終身独裁への道を歩み始めたのは5カ月前。もはや習氏の権力が揺らぐことは絶対にない。あのときはそんな見方が支配的だった。だが、政治とは意外な展開を見せるものだ。習氏は今、2013年に国家主席になって以来、最悪の夏を過ごしている。ネガティブなニュースが次々と浮上する中、習氏に対して幻滅や怒り、不満を感じる国民がエリート層を中心に増えているのだ。

最近では7月に不正ワクチン事件が発覚し、習氏の権威が傷ついた。中国の製薬会社が狂犬病ワクチンのデータを改ざんし、ジフテリア、破傷風、百日ぜきの3種混合ワクチンで、品質基準に満たない製品を大量に出荷していた。全国で何十万人もの子どもが不正ワクチンを接種していた事実も報じられ、政府批判が巻き起こった。

もちろん、この種のスキャンダルはこれまでにもあった。だが今回、不正を引き起こしたのは政府と親密な企業だ。習氏肝いりの腐敗撲滅運動がさして効果を上げていない実態が浮き彫りとなり、習氏は顔に泥を塗られる結果となった。また習氏は権力の集中を進めてきたが、そのせいで不正ワクチン事件の責任も習氏にあると考える国民が増えた。習氏にとっては夢にも思わなかった展開だろう。

国民の反感は以前から高まってきていた。たとえば、個人崇拝の確立を目指す動きに対する懸念がそうだ。文化大革命時代に習氏が「知識青年」として送り込まれ7年間を過ごした寒村は、「偉大なる知識」の源とされ、今では多くの観光客が訪れる“聖地”と化している。このような動きを見て、毛沢東が皇帝のようにあがめられていた暗黒時代を思い起こす国民は少なくない。毛沢東時代には大躍進政策と文化大革命のせいで数千万人もの国民が餓死し、中国経済はほぼ完全に破壊し尽くされた。

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