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ビジネス #怒涛の半導体&電池

Interview|旭化成 名誉フェロー 吉野 彰 「リチウムイオン電池、2025年以降の技術開発が勝負」

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よしの・あきら●1972年京都大学工学研究科修士課程修了、旭化成(旧旭化成工業)入社。イオン二次電池事業グループ長、電池材料事業開発室室長、グループフェローなどを経て2017年から現職。(撮影:梅谷秀司)
1万字インタビュー(拡大版)、「吉野彰名誉フェローが語り尽くした電池とクルマの未来」を公開しました(2019年10月11日追記)

 

私がリチウムイオン電池を発明して特許を取ったのは1985年のこと。これが将来自動車を動かすようになるなど、みじんも想像していなかった。

当時、旭化成の研究員だった私のミッションは、ソニーのデジタルカメラやビデオカメラ向け電池を作ることだった。デジカメは画素がフィルム写真に劣る一方、連写できる。だが、当時一般的だったニカド電池で連続フラッシュをたくと、たちまち電池が劣化してしまった。そのため、小型・軽量で高容量な電池を新しく作る必要に迫られていた。

そこで生まれたのがリチウムイオン電池だ。正極にコバルト酸リチウム、負極に炭素を用い、その間をリチウムイオンが行き来することで蓄電池となる新しい仕組みだった。ソニーとリチウムイオン電池を商用化するプロジェクトは紆余曲折の末中断したが、91年にソニーが自前で生産にこぎ着けた。それが今や生活に欠かせないものになっていることはうれしく思う。

日産自動車のEV(電気自動車)「リーフ」が2010年に発売されたのを皮切りに、リチウムイオン電池は自動車への搭載も進んでいる。17年には、車載向けのリチウムイオン電池が小型家庭用の市場規模を追い抜いた。リチウムイオン電池全体の市場規模は、当初狙っていたカメラ向けの約500倍に膨れ上がっている。

市場規模は25年まで拡大していくだろう。材料確保と技術開発の両面で、見通しがついているからだ。議論が分かれるのは、それ以降の見通しだ。

航続距離が伸びずとも持続的な成長はできる

焦点となるのは、EVの航続距離(1回の充電での走行距離)だ。現在、航続距離は平均で400キロメートル程度だが、この先700~1000キロメートルと伸ばしていくには壁がある。材料の配合などによってエネルギー密度を上げる技術開発がこれ以上は難しい領域に入るほか、原材料となるコバルトやリチウムなどの獲得競争による電池価格高騰が足かせになるからだ。

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