6月15日の朝、京都市消防局の作戦室には民泊対策を担当する約50人の職員が集められた。彼らを前に門川大作・京都市長は「違法民泊は根絶する。市民の安心・安全、質の高い観光都市・京都を目指す」と宣言した。
同日、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行された。同法はこれまで野放しだった住宅への宿泊(民泊)に対し、行政への届け出や苦情への対応、営業を年間180日までとするルールを定め、健全なサービスの普及を図るというものだ。

だが国土交通省によれば、6月15日時点で事業の届け出受け付けは4000件を下回る水準。京都市では事業者に半径800メートル以内での居住を義務づけるなど、より厳しい規制を条例で敷いたことから同日時点でわずか22件にとどまった。
民泊仲介の最大手エアビーアンドビーには10万軒を超える物件が登録されていたが、民泊新法の施行後は2万軒強に激減。その中身も旅館やゲストハウスなど旅館業法の免許を取った専門業者が目立つ。
民泊では稼げない
低調な船出となった理由は大きく二つある。これまで民泊に物件を提供していたのは、大家から部屋を借り、民泊に転用していた違法な個人の不動産投資家が大半とみられる。こうした層は競争激化で単価が上げられないうえ、転借費用や問い合わせ・予約業務を代行する業者への委託費がかさみ、収益が伸びないまま撤退を強いられたもようだ。
もう一つは、個人投資家の後を埋めると期待されていた不動産会社の動きが想定以上に低調な点にある。ある大手民泊代行業者の首脳は、「新法の規制が思ったよりも厳しい。儲からないうえ、オーナーの賛同が得られないため、不動産会社も乗り気ではない」と話す。
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