「こき使うだけではダメ、人事で報いるのが大原則」
私が小泉純一郎首相の秘書官を務めたとき、秘書官を出す省庁のほかから、課長職以上の官僚を参事官として5人登用し、全省庁の情報を把握した。
参事官を選ぶうえで最低限の基準にしていたのは、法案作成にかかわったことがあるかどうかだ。新たな法案を作る場合、ほかの省庁との折衝が必要で、今の13省庁だと関係部局から合計で500〜600のケチがつく。法案担当者はこれらを一つずつ論破したり、いろんな指摘を受けて修正したりしなければならない。そして、関係する議員のところへ朝も夜も足を運んで根回しを行い、最終的に国会で法案を通過させるのは大変な作業だ。こうした経験の有無を選定の際に必ず確認した。
当たりをつけた人物について、同じか近い年度に入った他省庁の官僚からの評判も重視した。法案作成を通じた他流試合で、「あいつは能力が高い」と言われていれば、見立てをそう間違えることはない。省内のノンキャリアからの評価も不可欠だ。全省庁のキャリアはノンキャリに支えられてこそ機動的な仕事ができる。いくら能力が高くても、プライドが高い官僚はノンキャリの信頼を得られずに自滅していく。
だから、参事官の登用において、コピーなどの雑用も含めて、謙虚に“ぞうきんがけ”をやれるキャリアであるかどうかも査定の大事なポイントだった。
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