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Interview|慶應義塾大学教授 鶴 光太郎 「無限定正社員からジョブ型正社員へ転換を」

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つる・こうたろう●経済企画庁(現内閣府)などを経て2012年から現職。内閣府規制改革会議委員(雇用ワーキンググループ座長)(13〜16年)などを歴任(撮影:ヒダキトモコ)

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──共働き家庭の働く環境についてどう評価しますか。

女性が結婚し、出産後も企業で働き続けるために、大企業ほどサポート体制を整えてはいる。ただ、それでも共働きと子育てを両立しにくいことの根底には、日本の雇用システムの問題がある。

日本の雇用システムは、職務や勤務地、労働時間が明確に定められていない「無限定正社員」が特徴。その結果、夫は長時間労働や辞令による転勤を余儀なくされ、妻は専業主婦で家庭を守る、というモデルが今も強く残っている。

この無限定正社員を、職務や勤務地、労働時間などが限定された「ジョブ型正社員」(限定正社員)に切り替えていくことが必要だ。

──具体的には。

欧米で導入されているような「ジョブ型」に単純に転換すればよいというわけではない。欧米流のジョブ型では、職務ごとに給料が決められている。一方で、その職務が世の中に必要とされなくなったときなど、環境変化への対応が難しいという側面がある。

欧米流のジョブ型を目指すなら、日本でも大学卒業時点で、各人がある程度専門性を定めなければならない。それには大学までの教育からがらりと変える必要がある。短期的には非現実的だ。

まず入社後10年は企業で経験を積み、その後無限定正社員のまま出世を目指すコースに乗るか、あるいは専門性を定めたジョブ型雇用にシフトするかを社員が選択してはどうか。日本流のジョブ型正社員を構築すべきだ。

専門能力のある人が集うオーケストラ的組織に

──どう変えるべきでしょうか。

国にできるのは、残業時間の上限規制のような“ビッグプッシュ”で流れを作ること。今後は国ではなく、民間がいかに働き方改革を進めるかが重要になる。

課題の一つが評価制度だ。ジョブ型では従来のような社内調整能力より、特定の仕事の遂行能力が求められる。そこをどう評価するかも、最初はある程度社員が選択できるようにすればよい。

スキルの問題もある。日本企業では、いろんな部署で経験を積み職務遂行能力を上げていく。それを限定的な働き方に変えると、スキルの習熟度が低くなりがちだ。いかに専門性のある人を集め、オーケストラのように調和させるかが、企業に問われるだろう。

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