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国の働き方改革は残業規制がカギ 共働きがつまずかない社会へ

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(撮影:梅谷秀司)

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「過労死を助長するな」──。安倍晋三政権が今国会の最重要法案と位置づけた働き方改革関連法案の審議が大詰めを迎えている。

同法案で与野党が対立したのは、一部の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」創設について。「労働時間管理がなされず過労死につながる」といった懸念の声が上がったが、最終的には制度適用後も希望すれば離脱できるとの規定を盛り込んで議論を進めた経緯がある。

では働き方改革関連法が成立した場合、実際にどのような影響が出るのか。

同法案はもともと2016年秋に始まった「働き方改革実現会議」での議論がベースとなっている。その柱は三つある。

一つ目は、前述した「高度プロフェッショナル制度」の創設。二つ目は、正社員と非正社員との非合理な待遇差を認めない「同一労働同一賃金」の実現。そして三つ目が「残業時間の上限規制」だ。

現行の労働基準法では1日8時間、週40時間を法定労働時間と定めている。しかし同法36条で例外が設けられ、労使協定を結べば事実上、青天井の残業が可能だ。その結果、過労死ラインを超える残業を認める企業はザラだ。今後はその残業時間に最大でも月100時間未満の上限規制が導入される。

過労死ライン設定の効果

三つの柱の中で、共働きと子育ての両立支援に関連するのが、残業時間の上限規制である。

同規制は、あくまで過労死対策のための設定であるため、「両立支援のための規制ではない」(リクルートワークス研究所の大嶋寧子氏)との声もあるが、小室淑恵氏(インタビュー記事)は、「大きな変革をもたらす第一歩」と評価する。

「企業では一人でも長時間働く人がいると、その人が仕事をブラックボックスにすることで、仕事を属人化してしまう。でも、長時間働く人の労働時間にキャップをはめれば、仕事を顕在化させる必要が生じ、結果としてほかの社員に仕事が共有される。個々の能力や働き方に合った仕事に分解され、大勢の人が活躍しやすくなる」(小室氏)

共働きがつまずかない社会への道のりはこれからだ。

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