日本を代表する企業でリスクマネジメントが機能しない訳とは。
──品質検査データの不正嫌疑で神戸製鋼所に捜査の手が入りました。
この本では、近年相次いで発覚した不正事例として神戸製鋼所の品質偽装をはじめ、東芝の不正会計、三菱自動車の燃費不正、東洋ゴム工業の免震ゴムデータ改ざん、オリンパスの粉飾決算、椿本興業の循環取引、富久娘酒造の表示偽装、JXTGエネルギー水島製油所の虚偽検査記録の8事例を取り上げた。いずれも「調査報告書」をベースに企業リスクマネジメント(RM)の視点から“ダメ出し”が必要なものばかりだ。
神戸製鋼所のケースは暫定的な書き方をしてある。今年3月6日に最終報告書が公表されたが、外部調査委員会の報告書を会社が編集したものだ。カナダで損害賠償請求訴訟が提起され、米司法当局も関心を示しているので、見せたくないところがあるようだ。RMの手本としては、出来はよくない。RMとしてこういう理想形があるが、ここまでしかできていなかった、ときちんと検証されていない。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら