地方創生は政府の目玉政策の一つであり、東京一極集中を避けて地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を取り戻すことを主な目的としている。地方自治体の総合戦略に対する新型交付金、政府関係機関の地方移転、特区の活用など、さまざまな施策が行われてきた。ただ、成果が十分に出ているとは言いがたい。
地方創生と聞いてまず頭に浮かぶのは、移住の奨励であろう。各道府県のホームページなどを見ると、どこも移住に力を入れていることがよくわかる。移住説明会を首都圏で開催したり、補助金を支給したりと至れり尽くせりである。地方の人口減少を防ぐには移住が手っ取り早いというわけだ。
しかしよく考えてみると、少子高齢化により日本全体の人口が減少していく中で、各道府県が地方移住を奨励するとどうなるか。ゼロサムゲームの中で、人口の奪い合いが起こるだけではないか。むしろ国を挙げて出生率の回復に取り組みプラスサムゲームに持っていくことが重要なのではないか。
人口が減少する中で有効な政策の一つはコンパクトシティをつくることだといわれている。誤解を恐れずに言えば、東京への一極集中は市場が東京というコンパクトシティを求めているのだと考えるべきではないか。国全体の人口を必死で増やす政策を実行することが今こそ必要なのだ。
都市間競争で苦戦
もう一つの大きな問題点は、東京対地方という対立構造で語られる文脈があまりにも多いことだ。ともすれば、東京の富や活力を地方に移転すれば問題が解決するような錯覚を覚える。本当にそうだろうか。東京はわが国では最も豊かで活力にあふれた地域であり、ヒト・モノ・カネのすべてが集積している。ほかの先進国や発展著しいアジアの主要都市と比較しても東京の集積度は群を抜いている。
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