結果的にはよいタイミングで始まったのかもしれない。中小企業は、計画どおりに人を採用することがどんどん難しくなっている。採用したら、次はいかに定着させるかが悩みとなっている。そんな中での「無期転換ルール」は、人材の確保・定着、中長期的なキャリア形成に資するものであり、これからの人材活用戦略を企業が考え直す好機にもなるだろう。
問題は認知度の低さである。日本商工会議所ではセミナーや機関誌などでの普及活動に取り組んではいるが、なかなか認知が進まない。このままいけば新ルールが始まる4月以降、少なからぬ企業で混乱を招くおそれがある。
これほど人手不足が深刻化する中、不当な雇い止めをしてまで人を切ろうとする会社はそう多くはないはずだ。それなのに雇い止めを行うのは、制度を十分に理解しておらず、定年後再雇用者などについて無期転換を免れる特例があることも知らず、不安に駆られて雇い止めに走る場合もあるのではないか。根気強い周知活動は、それを防ぐ意味でも必要であろう。
国の支援で制度の導入促進を
中小企業には労務管理のノウハウもなければ専門人材もいない。無期転換後は労働者の処遇見直しや、長期視野でのキャリア形成を考える必要があるとはいっても、そう簡単には実行できない。政府にはぜひ中小企業の無期転換ルールの導入に際するサポートをお願いしたい。
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