弁護士、投資銀行家、国内金融担当財務次官、大手投資ファンドのパートナー。これら多彩なキャリアに加えて、FRB(米国連邦準備制度理事会)理事として6年近く経験を積んだパウエル氏が、2月5日、FRB新議長に就任した。その船出を「米国発」世界的株価暴落という大波が襲った。
1月雇用統計で時間当たり賃金が前年比3%近く上昇したことがきっかけだが、少なくとも三つの伏線があった。株高への警戒感、インフレ期待の高まりを伴う長期金利の上昇、そして1月31日発表のFOMC(米国連邦公開市場委員会)声明文における「タカ派的」とも取られかねない修正だ。
イェール大学のロバート・シラー教授によれば、過去10年平均の1株当たり利益で測った景気循環調整後株価収益率(シラーPER)は2月2日時点で33.4倍と、1990年代後半のITバブル期に匹敵する高さになっていた。短期的には税制改革により企業収益の改善が見込まれるものの、シラーPERは長期的に見て足元の株価水準が正当化されないことを示している。
米国債10年利回りは、1月だけで0.3%ポイント上昇、2月初めには2.7%台をつけた。昨年後半からの原油価格の上昇と12月に成立した大型減税が金融市場参加者のインフレ期待を高め、米国の長期金利を押し上げてきた。
FOMCは物価見通しをこれまで「短期的に2%を若干下回る」としてきたが、今回は「今年は上昇する」に変更した。
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