この冬、インフルエンザワクチンが不足するのではとひと騒動があった。現在は充足しているが、ワクチンには間違った風説も多い。正しい知識と適切な対処法を、大曲貴夫・国立国際医療研究センター病院副院長に聞いた。
──ワクチン不足はなぜ起きたのですか?
インフルエンザワクチンは、毎年WHO(世界保健機関)の方針を参考にして、国立感染症研究所がワクチンに使う型と株を決める。今季は製造過程で問題が生じ、臨床現場に行き渡るのに時間がかかった。最終的には昨年の使用量とあまり変わらない量が確保される見込みだったのだが、情報がうまく伝わらなかったようだ。
──1月以降のこれからでも予防接種を受けたほうがいいですか?
今からでも十分間に合う。ピークは冬だが春先まで流行は続く。ワクチンの効果は接種から2週間ほどで表れ、感染しても軽症で済む。多くの人がワクチンを打って流行を抑えられれば、病気でワクチンを打てない人も守られる。
ワクチンを打ってはいけないのは、ワクチンに含まれる卵などの成分でひどいアレルギーを起こしたことのある人ぐらい。妊婦も体調を見ながら打てる。心臓や肺の疾患がある人は重篤化して合併症を起こしやすいので、本人と家族など周囲の人は打つほうがいい。
業務の停滞を恐れて職員全員に接種を勧める企業もある。健康な人でも体調が悪いと重篤化しやすい。日頃の体調管理も欠かせない。
──治療薬は48時間以内に使わないと効果がないといわれます。
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