保険の営業職員が言うように、医療保険やがん保険は本当に必要なのだろうか。医療情報学が専門で『販売員も知らない医療保険の確率』の著者、永田宏・長浜バイオ大学教授に素朴な疑問をぶつけた。
──「2人に1人はがんになる」という広告コピーがあります。それだけ多くの人ががんになるのであれば、安い保険料で手厚い保障は無理だと常識で考えられそうです。それでも強力なコピーとして依然、通用しています。
「2人に1人はがんになる」というのならば「2人に2人は死にます」よ(笑)。生涯を通じて2人に1人ががんになるのは事実ですが、罹患(りかん)するのは高齢者が多く、がんが原因で死ぬ人は今やそんなに多くありません。
「2人に1人はがんになる」というのが広告として依然有効なのだとしたら、それはかつて「がんになるとほぼほぼ死んでしまう」時代があり、その当時の恐怖心が国民に根強く残っているからなのでしょう。
ちなみに、がんの医療費はそんなにかかりません。せいぜい50万円くらいで、その多くは高額療養費制度で賄われます。それなのに、なぜがんに特化した医療保険があるのだろうといつも不思議に思います。
リハビリまでを考えると脳梗塞のほうが医療費はかかり、がんよりも深刻です。それなのに、「脳梗塞専用保険」はなかなか出てきませんよね。どうしてでしょうか。
──技術進歩など医療環境の変化を考えると、医療保険やがん保険も終身保険ではなく定期保険がいいに違いありません。たとえば5年更新の医療保険はもっとあってもよいように思います。
2025年に全国の病床を大再編しようとしている中、今、終身の医療保険に加入するのは意味がないでしょうね。たとえば、在宅医療が中心になると、入院給付金をもらうために保険料を払い続ける意味がなくなりますね。
そう考えると、更新周期は5年でも長すぎるかもしれません。3年、いや1年更新でも十分なのではないでしょうか。
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