アフラックの医長として日本のがん保険普及に大きな影響を与えてきた保険医学総合研究所の佐々木光信社長に聞いた。
──かつては対象外だった上皮内新生物も保障するがん保険が増えてきました。ところが上皮内は悪性新生物ではありませんね。
上皮内新生物と悪性新生物とではリスクが違います。端的に言えば、上皮内での死亡例は医療ミスか浸潤がんの登録ミスを除けば実質皆無でしょう。本当のがんは、患者の約半数は死亡します。
リスクが違うことをきちんと顧客に説明して契約を取っているかどうかが大事です。上皮内も保障するという保障の広さを強調する一方で、上皮内と悪性新生物のリスクの違いを説明していなければ、それは不誠実な売り方です。
──上皮内も保障するようになったことによるデメリットは何でしょうか。
がん保険に加入したい人が、健康診断で上皮内が見つかったばかりに、加入できないという事態が起きています。保障を広くしたことで加入機会を奪っている面があります。
──「上皮内も悪性新生物も何度でも診断一時金を出す」というがん保険も登場してきています。どう思いますか。
上皮内と悪性新生物とではリスクも発生率も違いますので、同じように保障することはできません。ただ、よく見ていただくと、商品改定の際に、上皮内の保障を特約にして主契約から外すなど各社工夫しています。
子宮頸部の上皮内についてはWHO(世界保健機関)の基準が数年前に広がりました。それで婦人科の国内規約が、それまで異形成のうち高度のものを上皮内としていたのに、中等度以上のものを上皮内と見なすようになりました。このことで上皮内の子宮頸がんの患者は約5倍程度に増えると私は見ています。
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