医療機関からの診療報酬の請求を審査するのが、社会保険診療報酬支払基金だ。医療機関から提出される診療報酬明細書(レセプト)の内容に誤りがないかをチェックし、保険者(健康保険組合など)に代わって医療機関に診療報酬を支払う。業務運営のあり方やIT(情報技術)を使った医療の効率化について、伊藤文郎理事長に聞いた。
──現在の支払基金の規模と審査委員の数は?
本部(東京)と都道府県単位の支部で計4300人ほどの職員がおり、そのうち約3000人が審査担当だ。審査には最終的には医学的な判断が必要であり、約4600人の医師と歯科医師が審査委員になっている。審査委員は月に数日、支部に来て審査業務に当たっている。
──2017年7月に、「業務効率化・高度化計画」を発表しました。
一番のポイントは20年度にシステムを刷新すること。現在はコンピュータ上で審査が完結しているレセプトは全体の65%だが、これを90%に引き上げる。これまでの「人の目」による審査からコンピュータによる審査に転換する。そこで判断が難しいケースは審査委員にお願いすることになる。
現在、レセプトはほとんどが電子化されているが、紙で請求されるものが2%ほど残っている。この紙レセプトが審査業務の2割を占めている。紙のデータをOCR(光学的文字読み取り装置)で読み取って処理しているが、AI(人工知能)で電子化できないかも検討したい。
この記事は有料会員限定です
残り 659文字
