ここ数年、中国経済の減速感が強まる一方で、インド経済は堅調な拡大を続け、両者の経済成長率は逆転している。急速にインドの存在感が高まってきたものの、2017年にインドではそれまでとやや様相が異なる出来事が相次いだ。
まずは16年11月にモディ政権が不正や偽造への対策などを目的に高額紙幣廃止措置を発表したことだ。流通する紙幣の9割近くが突如、利用できなくなったことで経済は大きく混乱した。ただしその後は、電子マネーの普及に加え、生体認証を用いた国民総背番号制(アーダール制度)導入などを柱とする「デジタルインディア」政策が後押しする形で早期に事態収拾が図られ、困難を乗り切った。一時的に落ち込んだ2輪車販売の伸びは加速している。
17年7月に導入されたGST(財・サービス税)も波乱含みとなり、インド経済の下押し圧力となった。全土一律をうたいつつも、最終的に税率は5段階に細分化されているうえ、その適用方法の複雑さなどを理由に販売現場などでも混乱が広がった。結果的に生産にも下押し圧力がかかった。
しかし、企業の景況感は、高額紙幣廃止措置のときと同様に早期に回復に向かい、その影響は短期間で克服できたもようだ。さらにGST導入に伴い連邦税と州税にかかわる複雑な税体系の簡素化が図られており、外資のみならず国内企業にとっても活動がしやすくなる環境につながった。
17年のインド経済はこうした二つの下押し圧力が重なり、低い成長率にとどまっている。9月までの累計ベースの実質GDP(国内総生産)成長率は前年比6.0%増と前年(同8.2%増)を下回り、通年ベースでも久々に6%台にとどまったとみられる。
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