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ライフ #非常時の組織論

リスクの適切な管理を阻害する「錯覚」の怖さ 事故を想像できるか

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最近では「リスクマネジメント」という言葉が一般的に使われるようになり、その発想をありがたがっている人も少なくないようだ。しかし、これは誰でもごく自然に当たり前のこととして行っており、「PDCAサイクル」と同様、ネーミングがうまくいっただけの話である。

だが、かく言う私は、このリスクマネジメントが苦手で、非常に難しいものだと思っている。

「子供たちに、体重が足の裏にかかっていない状態での身体操法を体験させるために、逆立ちを練習させようと思います」

「それには絶対反対です。危険すぎます。逆立ちしている最中に、腕が体重に耐え切れず、顔面を強打する可能性が高いからです。そうなったら、自分の体重のすべてが不自然な形で頸椎(けいつい)にかかるわけですから、軽くて頸椎捻挫、ひどければ頸椎を傷つけかねません」

このところ私は、静岡県伊東市にある一般社団法人「ひかり」という通所施設で、知的・発達障害のある子供に療育を行うことが多い。前述のやり取りは、そこでの職員会議中の会話である。

私の提案に反対したのは、中学校の教員を33年間やっておられた女性だ。学校は違うが体育大学の出身で、私の大先輩ともいえる。

逆立ちの危険性を指摘されてハッとし、「また、やっちまった」と思った。自分のリスクマネジメント能力の低さが、ほとほと嫌になった。問題なのは、過去にも同じような過ちを幾度となく犯しているにもかかわらず、またもや繰り返してしまったことである。

自衛隊の特殊部隊を退職してから、民間の方を連れて山に入り、地図判読やビバーク(野宿)を教えたり、シーカヤックで無人島を渡り歩いたりしている。

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