海外でICO(イニシャル・コイン・オファリング)が活発化する中、仮想通貨市場の関係者を驚かせたのが中国当局の禁止措置だった。
9月4日、中国人民銀行など7部門が合同でICOに対する見解を発表。トークンを販売して投資家から仮想通貨(ビットコイン、イーサリアムなど)を調達するのは、違法な行為であるとの認識を示した。発表を受けてICOは直ちに停止され、資金調達を終えている場合は投資家に仮想通貨が返還されることになった。併せて、取引所でのトークンと法定通貨との交換業務が禁止された。
ICOはもともと、技術者などが開発資金を調達する目的で、投資家にトークンを販売していた。
ところが今年に入り、取引所でトークンの値上がりを狙った投機が活発化。引き締めの厳しくなった不動産市場などから投機資金が流れ込み、投資リターンが高いといった報道を目にした一般の人たちが値上がり期待で購入していた。
2016年まで5件だったICOは今年に入って急増しており、資金調達額は約26億元(約450億円)、トークンの購入者は延べ10万人を超している(7月18日まで。国家インターネット金融安全技術専門家委員会調べ)。

金融当局にとって今年の一大任務は、16年の中央経済工作会議で決まった「金融リスクの防止・コントロール」であり、ICO対策もこの一環だ。今年のICOは、トークン販売の裏付けとなる技術も実体もなく詐欺に近いものが多いとされていた。詐欺的なICOが蔓延し、投機的な動きが過熱することで金融リスクが膨らむおそれがあった。禁止措置によって将来的な不安の芽を先に摘んだといえる。また、10月の共産党大会を前に金融リスクが顕在化して社会不安が高まることを避ける狙いもあったのだろう。
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