機械工学の権威
「EVには課題も多い時世代車のすみ分け続く」
だいしょう・やすひろ●1976年早稲田大学大学院修了。専門は自動車工学。国土交通省の交通政策審議会などの委員を歴任。(撮影:今井康一)
米カリフォルニア州や中国で2018年からEV等の製造・販売の義務化が強化され、英国やフランスが40年以降、ガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を掲げた。その結果、EVが一気に普及するかのような報道が目立つが、ガソリン車が一気に置き換わるわけではない。
EVには価格面や充電時間、また電池の劣化や重量の課題がある。三菱自動車の「アイ・ミーブ」は同クラスの車より150~200kg重く、日産「リーフ」は300kgほど重い。リチウムイオン電池を大量に積んでいるためで、その分エネルギーのロスがある。次世代電池の開発にも期待したい。
電力需給の課題もある。2万台のEVが一斉に急速充電すると、原子力発電所1基分の電力が必要になる。今の電力供給体制では不足しかねない。
多くの人が充電する時間帯が重なり、電力需給がバラつくおそれもある。再生可能な電力を増やしてそれを平準化するには、スマートグリッドなど需給をマネジメントできる仕組みを構築しなければならない。
マーケティングの発想がカギ
こうした課題を考慮すると、次世代車はHV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、EV、そして燃料電池車の4種類のすみ分けがしばらくは続くのではないか。EVの時代到来までは、日本勢のHV、PHVの優位性は残るだろう。燃料電池車は価格や水素ステーションの普及に課題があるが、設置基準を緩和するなどして課題をクリアできれば、水素の充填時間が短いなどの優位性はある。
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