僕らが書いた『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(略称もしそば)は、作家やミュージシャンなど100人の文体や口調を模写して、カップ焼きそばの作り方を解説した本だ。6月に刊行して以来、思いのほか売れて、正直びっくりしている。
作家たちの文章は、当然ながら結構読み込んだ。そしてわかったのは、「文体とは、書き手が伝えたいことそのもの」ということ。文章が乾いているのも、湿っているのも、スカしているのも、すべて何かを伝えるための手段としてそうなのだ。
だから模写するときには、その人が作品を通じて何を伝えたいのか、つかむのが大切。それがわかれば、憑依されたように文体が模写できる。ということばかりでもないが。
模写した相手に怒られるかと思ったが、今のところそういう問題は起こっていない。なので今、続編を出そうかと検討中だ。映画化の予定? それはない。
(神田桂一氏談)
太宰治が書いたら
ああ、世界経済は好調でございます。この一年の記憶が、ありありとよみがえってきます。立体スキヤン測定器の開発、高性能キヤメラの販売。そうして自分は人材の充実を行い、清く明るく朗らかに海外販売を強化しました。まさかここまで売れるとは!
「中長期的な成長を維持するのかね」
「そのつもりでいるんです」
自分は罪を犯したのでしょうか。いいえ、人間は決して経済に服従しないのです。お母様、売上高は3100億円でございます。それを聞いて堀木は、はしゃいでいました。それこそが真理なのです。
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