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総合的な知の技法「表現法」を学ぶ(12) 「情報電」というもう一つの公電とは

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

外務省の公電(公務で用いる電報)は、外務大臣と在外公館長(大使、総領事)との間でやり取りされる。在外公館長よりは外務大臣のほうが地位は上なので、公電上の表現も変わってくる。たとえば、ロシア機が日本の領空を侵犯したとする。それに対して抗議するときには、外務大臣から在ロシア大使に宛てて「適当館員をして、ロシア外務省に抗議ありたい」というような指示を記した公電が出される。

ちなみにこういう内容の抗議ならば、抗議の程度はあまり高くない。なぜなら「適当館員をして」という指示があるからだ。この場合、参事官か一等書記官がロシア外務省の課長クラスに抗議すればいいということだ。

「貴使をして抗議ありたい」という場合、事態はかなり深刻だ。大使がロシア外務省の局長以上に対して抗議するという意味だ。こういう高いレベルの抗議の場合は、東京でも外務大臣がその国の大使を呼び出して抗議するのが通例だ。

それに対して「貴館館員をしてローキーで抗議ありたい」と公電に書かれている場合は、形だけ抗議して、大ごとにするなという意味だ。ローキーとは、「低いレベル」という意味で、二等書記官か三等書記官がロシア外務省の担当官に電話で抗議すればいいということだ。

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