ロープライスが顧客本位ではない
今年社長に就いた中田誠司氏。今から2年前、リテール営業部門へ26年ぶりに戻ってきた。事業環境や商品構成は一変していたが、業務の進め方は旧態依然としていたという。
なかた・せいじ●1983年大和証券入社。大和証券グループ本社・経営企画部長など経て2017年4月から現職。(撮影:今井康一)
──社長就任前の2年間、リテール営業部門担当でした。
営業員の4割が女性になり、顧客は高齢化が進んでいる。取り扱う商品も昔は株式が中心だったが、今はネット銀行の預金やファンドラップもある。ただ、基本的な業務の進め方は本部主導で26年前と変わっていなかった。
この状況を変えないといけないと2年間思っていた。今回、社長になったタイミングでやろうと決断した。そこに偶然、フィデューシャリー・デューティー(FD)の話が出てきた。
私が離れていた26年間、現場ではさまざまな仕掛け・工夫がなされてきたが、工夫しすぎている部分もあった。もっとシンプルに、原点に戻る必要があると考え、今年4月から支店長に販売計画を策定する権限を委譲し、ボトムアップ型の営業体制へと見直した。
──効果は上がっていますか。
一例を挙げると、外国株の販売額が昨年の1カ月平均の2倍になった。現場が顧客の潜在ニーズを拾い上げ、市場の流れにうまくマッチングできた。市場環境が世界的に激動している中で、国内投資家の金融リテラシーを考えると、コンサルティングを入れ、潜在ニーズを導き出すことが重要。これこそが日本のFDの肝だ。
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