日系自動車メーカーにとって“ドル箱”の米国で、新車販売が振るわない。2017年上半期の新車販売は845万台と前年同期を約2%下回った。前年割れは09年以来、実に8年ぶりだ。
日系で特に苦しいのが、マツダだ。原油安で人気が高まるSUV(スポーツ多目的車)は好調でもセダンが足を引っ張り、上半期は前期比2.6%減。6月単月では14%超の大幅減だ。
北米事業を統括する毛籠(もろ)勝弘専務は、「セダンの市況が想定よりも厳しい」と指摘する。販売台数に占める米国の割合は2割だが、「利益の半分以上を稼ぐ」(国内証券アナリスト)収益柱だけに痛い。
米国はドル箱でありながら、鬼門だ。毛籠専務は「(進出以来)47年間、質的な成長ができていない」と表現する。かつては40万台近く売ったが、値引きに頼ったため下取り価格が下がり、ブランド価値は低いままだった。
変わり始めたのが12年だ。環境性能と走行性能を両立した「スカイアクティブ」技術を採用し、デザインも刷新した新世代商品群を投入した。商品の価値を伝え、値引きに頼らない売り方への転換も進みつつある。マツダ車の「再購入率」は11年の26%から16年には39%にまで改善した。とはいえ、業界平均の55%には遠く及ばない。
「再購入率が5〜6割になると楽になる。売り方の価値観を変える必要がある」。昨年、日本人として約20年ぶりに北米統括会社社長に就いた毛籠専務はまず、販売店の値引き原資となる奨励金の改革に着手した。昨年7月に定めた新基準では台数を評価項目から外し、販売の質を重視。顧客満足度をアンケートで測り、店舗の内外装や設備なども項目に加えた。奨励金の額の半分が新基準で決まる。
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