バリ島に来るといつも疲弊する。4年前のことだ。マスターカードの「プライスレス」のCMに出てくる、断崖の上に立つプライベートヴィラに泊まった。
たまたま結婚式に遭遇し、ご相伴にもあずかり、記憶に残る滞在となった。だがチェックアウト時に精算が間に合わず、帰国してから先方が出した計算が2度とも間違っていたため、こちらで計算式を出した。空港の出発案内のモニターに誤りがあり、乗り遅れそうになったのもバリ島だった。
今年5月に訪れたときもつらかった。安い航空券を見つけたものの、土曜朝に成田を出て現地に1泊、帰りは夜行便で月曜朝そのまま仕事だ。滞在時間は約35時間。
成田空港ではチェックインの行列がL字をなし、バリ島のデンパサール国際空港でも入国審査の行列が長く、全貌が視界に入らない。1時間かかり空港を出て、ウーバーのような配車サービス・グラブで車を呼ぶも、こちらに近づいてくる気配がない。結局、タクシーをつかまえて宿泊地のアスマラ・ヘブンリー・レジデンスへ向かう。
バリ島滞在の良しあしのかなりの部分はリゾート選びで決まる。そのため今回も選択にはかなりの手間と時間を費やした。
断崖絶壁から海を見下ろせるヴィラというのが最優先の条件。これを満たすのは島の南部に位置するバドゥン半島に限られる。グーグルマップの航空写真を見ながら、半島の海岸沿いにあり、眺望がよいヴィラを片っ端から探した結果がここだった。バドゥン半島の南端部は、もともとこれといった利用価値もない土地だったが、2006年のブルガリホテル開業後、沿岸部のリゾート開発が急速に進み、航空写真でもむき出しになった赤土が目についた。
ヴィラは1泊3万2000円だが、3ベッドルームでプライベートプールがつく。ハワイでこの値段なら鉄筋コンクリートの大型ホテルのスタンダードルームどまり、ハーバービューはまず望めない。
翌日の夕食は、ブルガリホテルのレストラン、サンカールにした。テラス席では高さ150メートルの断崖絶壁からの眺望を堪能できる。
黄昏時となり、隣接した祭壇で結婚式の準備が進められている。カップルは中国人、発音から北京などの北の地域の人のようだ。式では新婦が感極まり号泣。親ももらい泣きしながらも、娘の姿をスマートフォンで撮り続けている。
中国人観光客が激増
6、7年前にブルガリホテルに来たときは西洋人がメインだった。それが今回は挙式したカップルはもちろん、東洋人やインド人の姿ばかりが目立ち、最後まで西洋人ゲストを見かけなかった。
バリ島の観光客数は03年からの10年間で約4倍も増えたという。とりわけ中国人は15〜16年に43%も増加している。サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によれば、中国ではバリ島でのリゾートウエディングが一大ブームを引き起こしているらしい。
彼らもまたバリ島の観光産業の過酷さに直面し、嘆息し、それでもまたこの島に戻ってくることになるのだろうか。























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