狙いはいったい何なのか。3月23日、旧村上ファンド出身者が運営する投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメント(以下、エフィッシモ)が、東芝株8.14%を保有する筆頭株主になったことが大量保有報告書で判明。そこからさらに買い増しし、3月末の保有比率は9.84%になっている。
エフィッシモは本誌の取材に対し、「東芝株への投資目的は純投資。中長期的な企業価値の向上に伴う値上がり益や配当を享受することを目的としている」と言う。だが、これを額面どおりに受け取るのは難しい。何しろ東芝は無配会社である。しかも債務超過転落で中長期的な見通しよりも短期的な財務立て直しに汲々(きゅうきゅう)としている。
エフィッシモは、高坂卓志代表ら旧村上ファンドの幹部3人がシンガポールに設立した。わかっているだけでも日本株を3000億円分近く保有している。正確な投資額が不明な東芝、第一生命ホールディングスなどを加えると5000億円前後を日本株に投じている。旧村上ファンドと同様に株主提案をすることもある。

エフィッシモをよく知る投資ファンド関係者は言う。「東芝の債務超過転落は引当金が主体で、巨額のキャッシュアウトを伴うものではない。原発子会社を連結から外し、メモリ子会社を高値で売却した後の東芝はキャッシュリッチな好財務企業になるに違いない。その将来像に比して東芝の株価が割安だから東芝株を買っているのだろう」。
この記事は有料会員限定です
残り 422文字
