「ずっと残ってほしいが、あれだけの状況なので何もないことはないだろう。今はじっと見守るしかない」
東芝が事業所を置く東京都府中市の高野律雄市長はそう話す。不正会計や海外原発事業での巨額損失など深刻な事態が明らかになり、人員削減や事業売却などの報道が流れるたびに、市民には「府中事業所にも影響があるのでは」という不安がよぎる。今のところリストラなどの動きはないが、府中事業所から電車で1時間ほどの青梅事業所が今年3月末に閉鎖されており、ひとごとではないのだ。
ラグビーでの活性化にも暗雲
府中市民にとって東芝は、「あるのが当たり前」の身近な企業だ。府中事業所は1940年から操業しており、町名に府中市東芝町と社名がついているほど。東京ドーム14個分の面積があり、1万人近くが働く。国内に13ある東芝の工場や事業所の中で最大規模だ。エレベーターや電力・流通、鉄道システムなど主に電力やインフラ系の製品を造っており、下請け企業も多く、市の税収源になっている。さらに従業員やOB、その家族が定住したり、周辺の飲食店を訪れたりすることによる地域経済への貢献もある。「閉鎖のような事態になった場合のダメージは非常に大きい」(高野市長)。
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