マイレージの利用はサラリーマンにとって究極の下克上である。普段はエコノミークラスばかりの人間でも、マイルをためさえすればファーストクラスやビジネスクラスに大手を振って乗れる。昨年7月、下克上の旅に出た。
成田発→(全日本空輸ファーストクラス)→シンガポール2泊→(シンガポール航空ビジネスクラス)→バンコク1泊→(タイ国際航空ファーストクラス)→成田着で回る。
成田では全日空ファーストクラス専用のチェックインカウンターへ。いすに座ってチェックインを済ませ、去り際に振り返るとカウンターの女性全員が深々とお辞儀をしている。これが「お・も・て・な・し」を具現化したものなのか。
機内ではシャンパンの最高峰「クリュグ」が供される。普段は売店で買ったミネラルウォーターをLCCの機内に持ち込んでいるのだが……。ラウンジでハンバーガーを食べたばかりの胃袋に機内食を押し込む。かつてスイス航空のファーストクラスに乗ったとき、40代くらいの白人女性がサラダしか食べていない姿を見掛けた。それこそが真のファーストクラスカスタマーの姿なのだろう。
印象に残ったのはサービスのきめ細かさである。トイレで寝巻きに着替えるときは床に直接足を着けないよう台座を設定する。自席に戻ると、ベッドメーキングされた布団の裾が少しだけ折り曲げてあるのだ。
シンガポールでの2泊目は奮発してラッフルズホテルへ。ショッピングモールもあるこのホテルは多くのツーリストでにぎわうが、宿泊者限定のエリアは静謐である。
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