テリーザ・メイ英首相は、英国政府がEU(欧州連合)からの移民の制限をEU域内市場への参加に優先させる、いわゆる「ハード・ブレグジット」を目指す姿勢を明らかにした。1月17日に行われた英国のEU離脱(ブレグジット)に関する演説において、対EU交渉における12の基本方針を表明した。同時にメイ首相は、EUと自由貿易協定(FTA)を結びたい、とした。「ハード・ブレグジット」が実現すれば、在英企業への影響は相対的に大きいものとなる。
首相演説は、おおむね事前の報道に沿った内容であった。新たな情報は、英国とEUの間の最終合意について、英議会での採決を行うことを首相が明確化した点だ。メイ首相がこの点に言及すると、金融市場では急速な英ポンドの買い戻しが起きた。最終合意が議会で承認されるために、英国により有利になるようにEUと離脱交渉を行うのではないかとの思惑が背景にあったと推察される。
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次のイベントは、EUからの脱退交渉開始のトリガーとなるEU条約第50条に基づく脱退通告を英政府が実施するタイミングとなる。現時点までの情報に基づけば、英政府が目指す3月末までに脱退通告は行われる可能性が高い。
この点では、1月中にも判決が下される予定の最高裁判所での裁判の行方も注目される。現在、最高裁では、「英政府が議会の承認を経ずに独断で50条通告を実施することができるかどうか」について法廷闘争がなされている。
最高裁が「違憲」と判断した場合、英政府は「2017年EU離脱(50条通告)法」を制定し、上下院で決議を行うと予想される。英政府閣僚は修正余地が小さい「通告」という行為に的を絞った法案を提出することで、2週間以内に下院での可決が可能と考えているもよう。結局は英政府の想定どおりに脱退通告が行われることになりそうだ。
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