欧州での注目選挙はフランス大統領選となる。それは欧州統合の方向性を占うだけでなく、西欧諸国で極右ポピュリストの元首があらためて誕生する可能性があるからだ。
オランド大統領は、10年のユーロ危機から経済を立て直せず、現職としては異例なことに再出馬しないと宣言した。財政赤字の削減はさらなるソブリン危機を回避するためには不可避だが、高失業率を許容する。オランドは「失業曲線を下げる大統領」を宣言したものの、12年に失業率は10%と高止まりしたまま。テロや難民問題でも後手に回り、16年の平均支持率は13%と歴代大統領として史上最低を更新した。
与党社会党の足元は揺れる。有力現役閣僚が辞任して大統領選に立候補する中、治安問題で強硬姿勢を貫くヴァルス首相も12月に辞職し、党予備選への出馬を表明した。不人気な与党であり、誰が候補でも決定打にならないまま選挙を迎える。
ドゴール派の流れをくむ最大野党共和派(LR)も一般有権者による公開予備選を11月に実施した。予備選ではドゴール派を右傾化させて極右に対峙したサルコジ前大統領らが敗退し、彼の下で首相を務めたフィヨンが選出された。大統領選は4月23日の第1回投票で過半数を獲得する候補者がいなければ、上位2名による決選投票が5月7日に行われる。その決選投票に進むことが確実視されているのは極右・国民戦線(FN)党首マリーヌ・ルペンだ。
保革政党の共闘で反エリート主義が台頭
FNは9.11米同時多発テロとリーマンショック以降、極右的な立ち位置から世俗原理重視や大きな政府志向へと転換した。それにより、多文化主義と緊縮策を快く思わない社会権威主義者と経済保護主義者から成る異質な有権者連合を実現、保革2大政党に次ぐ地位を固めている。
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