長期の保険契約と、それに見合った長期の運用をビジネスモデルの根幹とする生命保険会社。その経営に、長期化する低金利がじわじわ影響を与えている。この状態が5年10年と続けば、経営を大きく揺るがしかねない。
国内金利の低下を受け、日本生命保険を筆頭とする生保大手4社とかんぽ生命保険は、主な運用先だった日本国債を減らし、外債や外国株へのシフトを進める。2016年11月のトランプ相場以降、マイナスに沈んでいた10年金利はプラス圏に浮上しているが、16年度下期の国内債券での運用は「国内金利が低位に推移する中、引き続き抑制する」(日本生命)。日本国債の代替として始めた外債投資も、為替ヘッジコストが上昇し、為替水準をにらみながらの難しい運用を迫られている。
一方、17年はデジタル技術を生かしたビジネスモデル変革の動きが加速しそう。第一生命ホールディングス系のネオファースト生命保険は16年12月、7大生活習慣病での入院時に一時金100万円を支払う入院一時給付保険を、りそなグループ経由で取り扱い開始。保険加入時は実年齢だが、検診データを基に3年ごとに健康年齢を算定、結果に応じて保険料を割り引く。「健康に気をつけるようになるという声があり、売れ行きは順調」(同社)。
デジタル生かし変革 損保ではAI活用も
損害保険業界では、商品開発等にAI(人工知能)などを活用する取り組みが進む。東京海上ホールディングスでは自動車のバックミラーにカメラやセンサーを取り付け、事故の検知や事故防止の警告に役立てる新サービスを開始。「口頭や文書に多い、抜け・漏れ・ダブりを回避し、代理店を通じた保険販売をテクノロジーでどう後押しするかが課題」(事業戦略部の岩渕康二マネージャー)と、社内オペレーション改善も進める。
三井住友海上火災保険は16年4月にICT戦略チームを立ち上げ、5〜10年後の経営戦略の企画、検討に着手。四つのコア領域(引き受け、販売、事務、保険金支払い)でICTを活用しビジネスモデルを見直す。川津英樹・経営企画部部長は「最終利益に効くのが損害査定の領域。不正請求検知率が上がれば損益が改善し、新たな投資などに資金を振り向ける余裕も出てくる」と話す。
SOMPOホールディングスは米シリコンバレーに拠点を置き、「インステック」(保険+IT)ベンチャー企業の動向を探る。三菱商事出身の楢﨑浩一氏がCDO(最高デジタル責任者)に就任。AI、ブロックチェーン技術を活用した業務効率化や、「車のシェアリングなど、デジタル化でデジタルネイティブと呼ばれる若年層の購買行動がどう変わるかに注目している」(中島正朝・デジタル戦略部長)という。
























無料会員登録はこちら
ログインはこちら