EC(電子商取引)市場の拡大で、宅配便の数量は増加の一途をたどっている。一方で物流拠点の整備や労働環境の改善など、課題は多い。業界最大手・ヤマトホールディングスの山内雅喜社長に、今後の対応と成長戦略を聞いた。
──ECの荷物が増えている。キャパシティに余裕はあるか。
荷物の6〜7割を占める東名阪で物流体制を変えている。これまでは日中に集めた荷物を夜に一度、各地域の物流拠点間でやり取りしていた。だが、関東と中部に開設したターミナル拠点「ゲートウェイ」で荷物を五月雨式に流すことができるようになり、拠点としてのキャパシティが増大した。仕分け機器など自動化も進めており、従来に比べて3割少ない人数で対応できる。大阪にも来年、同様の施設を開設する。
日本のEC化率は5%に届いていない。欧米が10%であることを考えると、荷物はまだまだ増えそうだ。
──人材不足も懸念される。
集配の人材不足は深刻。対策として配送効率を高める。来年に基幹システム「NEKOシステム」を改良する。AI(人工知能)が最適な配送ルートを組むため、経験の浅い配達員も効率的に集配できるようになる。
働いていただける方の幅も広げていく。自宅の近くで決まった時間に働きたい主婦の方は多い。ヤマトは全国に4000拠点あり、絶好の働き場所になりうる。フルタイマーとパートタイマーがチームを組んで配送に当たるなど、働き手に合わせた仕組みに変えていく。
──横浜市の支店では労働基準監督署から是正勧告があった。
物流業界が長時間労働なのは事実。特にお歳暮シーズンは社員に長時間の労働を課してしまっており、対策が急務だ。仕分けの自動化などICT(情報通信技術)を組み合わせて作業を効率化し、健全に働ける環境を整えていきたい。
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