ユダヤ教とは、天と地、動植物や人間、そして宇宙の万物を創造した唯一神を崇拝する宗教だ。聖典は『ヘブライ語聖書』で、いわゆる『旧約聖書』のことだが、これは『新約聖書』に対応するキリスト教の呼称なので、ここでは「聖書」とする。
聖書とは、ユダヤ人によって「口伝」されてきた伝承を成文化したものである。その冒頭部の五つの書を「トーラー」と呼ぶ。トーラーの原意には「指し示す」という意味がある。ユダヤ人はかくあるべし、さらには人間の生きる道を指し示す書、それがトーラーである。トーラーのほかに「預言書」「諸書」を加え、これらを合わせて聖書と呼ぶ。

ユダヤ教にとって、聖書は切り離せない重要なものだ。現代でも、シナゴーグ(礼拝所)でトーラーをヘブライ語で1年かけて通読する。毎週どこを読むかは暦によって決まっている。後の時代に『ミシュナー』や『タルムード』が編纂されるが、これらも聖書に端を発するユダヤ人の生き方を扱っており、ユダヤ教の聖典とされている。
聖書をはじめこれらの書物に精通している教師を「ラビ」と呼ぶ。世界中、ユダヤ人のコミュニティがある所にはシナゴーグがあり、ラビがいる。ラビは日常のあらゆる場面で宗教的な助言をしたり、シナゴーグで聖書を講じたりする。
ユダヤ教は「戒律の宗教」である。聖書に書かれた多くの戒律を今日でも守っている。その中で、最も重要なものの一つはシャバット(安息日)である。神は天地創造の業を6日間で終えて7日目に安息したということから、この日にはいかなる仕事もしないという戒律になった。ユダヤ教の暦では夕暮れから一日が始まるので、金曜日の夕方から土曜日の夕方までをシャバットと言う。この日イスラエルでは公共機関や交通網は止まり、商店などは閉店する。これはユダヤ教の祭日も同様だ。
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