主人公は、エリート街道から転げ落ち、シニア人材として後輩上司の下でくすぶる59歳、東条。ある日、話すと元気になると評判の奥野老人を知り、老人の元へ通うようになる。最初は小憎らしい後輩をどうしてやるかで頭がいっぱいだった東条だが、老人と対話を重ねるうちに、東条の心の中で新しい扉が次々と開いていく。人生後半の生き方とは、幸福とは、品格とは。そして迷える中高年・東条のたどり着いた先は──。小説としても味わい深い、泣かせる自己啓発本。
人生の上級者を探る旅 泣かせる!自己啓発本
──題名を見て「高齢者こうあるべし!」の説教本かと思いました。
先日も本を買ってくださった60代の方と話をしたら、「買ったけどまだ読んでない」と。ステレオタイプなシニア像を描いて、若造に“上から目線”で指南されてはたまらないと。そういう本ではまったくないのですが(笑)。たとえば「若手に信頼されるシニア社員15の法則」とかで、項目を列挙して書こうと思えば書けるけど、本当にそれで人が変わるとは思っていません。
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