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ビジネス #経営者 豊田章男

死ぬほど反省した2010年の思いを忘れてはならない 業界ウォッチャーに問う 今のトヨタ、イケてますか

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なかにし・たかき●米オレゴン大学卒。1994年以来一貫して自動車産業調査に従事。2013年から現職。著書に『トヨタ対VW』(日本経済新聞出版社)など。(撮影:梅谷秀司)

2009年に豊田章男氏が社長に就任したとき、私のトヨタ自動車への評価は懐疑的だった。だがここにきて変わってきた。12年の安倍政権発足以降は劇的に業績を回復させており、結果が伴っているからだ。もし1㌦=100円まで円高に振れても2兆円の利益が出る。今の体質を作り上げた手腕は見事だ。

社長交代が報じられた08年末は、規模を追うあまりトヨタ本来の姿が見失われていた頃だ。就任後は「トヨタをダメにしたのはあなたたちだ」と言わんばかりに、投資家やメディアを敵視していた。社内では人事が大きく変わった。豊田社長の気概や信念から、並の御曹司にはない激しさを感じた。「いいクルマをつくろうよ」という社長の呼びかけは当時まったく理解されず、トヨタの先行きに不安すら覚えた。

転機となったのが10年2月24日。品質問題を受けて豊田社長は米国下院公聴会に出席。直後の社員集会で彼が流した涙で、ばらばらだった30万人の社員が結束した。意味はわからずとも「いいクルマをつくろうよ」という言葉に社員がしがみついた。

拡大路線でつまずいたトヨタを一気に軌道修正したのは、豊田社長の熱い思いだ。ただ思いで社員を固めることはできるが、組織は動かせない。“トヨタ丸”を実際に操縦しているのは副社長や専務など優秀な番頭だ。うまく役割分担ができているから、今のトヨタは回っている。

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