安倍晋三首相の指示で始まった、携帯料金の引き下げに関する有識者会議が昨年12月に終了。同月18日には高市早苗総務相が携帯3社の首脳に負担軽減に関する要請書を手渡した。店頭から「実質ゼロ円」の文字は消えつつあるが、ポイント付与など、競争は激化した側面もある。商用インターネットの草分けで、MVNOも手掛けるIIJの鈴木幸一会長はどう見ているか。
──そもそも、首相の指示で値下げ議論が始まった。
通信料金は自由化されているのに、首相が「高い」と言い、それを受けて議論するのは変な話で、雑な気がする。この議論のために高市総務相が毎回出席したのも、「どうなのだろう?」と首をかしげざるをえない。
──携帯料金の値下げ策は最初からまともに議論せず、不公平・不公正の是正というテーマから「実質ゼロ円」の禁止へと展開した。
市場を歪ませるような仕組みになっているのであれば、政府として粛々と対応するというのがスジだ。それをマスコミは騒ぎすぎている。過熱した報道が事態を余計に悪くしている面もあるのではないか。
競争が阻害されているのなら、市場のメカニズムが働くようにしていくのは政府として当然だと思うが、遅すぎた感もある。
──「遅すぎた」というのは。
歪んだ市場を作ってきたという意味では、携帯会社の通信料のあり方や、契約のあり方に問題があった。
産業としては、携帯会社からのキックバックでメーカーも潤ったが、そうしたぬるま湯の競争の結果、世界での競争に日本の端末メーカーが勝てなくなった。その意味で、市場メカニズムが働くようにルールを正していくことを、政府はもっと早くやるべきだった。スマホ市場そのものがおかしいということは、皆わかっていた話だ。
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